吉四六さんと銭糞馬

むかしむかし、吉四六(きっちょむ)さんと言う、とてもゆかいな人がいました。
吉四六さんは、この頃、妙な事ざるにウマのふんを入れて、川にさらして洗っているのです。そして洗い流すと、ざるの中にいくらかのお金が入っています。

吉四六さんは、ざるにお金を入れたまま、見せびらかすように帰っていきました。
さあ、それを見た人たちは、みんな吉四六さんのウマがほしくなりました。
そして吉四六さんに売ってくれと頼むも断られ続けました。
そしてとうとう、うわさを聞いた町一番のウマ買いがやってきました。
ウマ買いは大金を出し、吉四六さんはウマを渡しました。
しかし、ウマはお金のふんを出さないのです。

困っている馬買いを見て吉四六さんは、その餌に金は入っているのかと聞きました。
余計に困っている馬買いに吉四六さんは言いました。

「この世で一番上等なえさは、お金入りのえさだ。それさえやれば、ウマはお金の入ったふんをするよ」

紹介:江原拓郎

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