『嫦娥奔月』は中国の神話・伝説で、嫦娥という月に住む仙女の物語です。羲和という女神は太陽となる10人の息子を産みました。この10の太陽は交代で1日に1人ずつ地上を照らす役目を負っていましたが、ある日10の太陽が一緒に現れました。后羿は1つを残して9の太陽を射落しました。 太陽を射た後、この功績から后羿は西王母から不老不死の薬をもらいました。后羿はこの薬を嫦娥に預かってもらいました。嫦娥はこれを化粧台の箱に隠しました。残念ながら、学生の蓬蒙はこの場面を見てしまいました。 三日後、后羿は狩猟に行きました。蓬蒙は剣を握って、嫦娥に不老不死の薬を出せと脅かしました。脅かされた嫦娥は、緊急なのに即断し、箱を出して不老不死の薬を一口に飲みました。飲んですぐ、嫦娥の体が地面から上昇し、窓口から飛び立って昇天しました。夫のことを思っているため、嫦娥は人間に最も近い月に住むようになりました。 夕方、后羿は家に帰り、侍女らは泣きながら昼のこと伝えました。后羿は驚き、怒ってその悪人を殺そうとしましたが、蓬蒙はもう逃げてしまいました。絶望した后羿は夜の空を仰ぎ、愛妻の名前を呼んでいました。驚いたことに、その日の月は特に明るくて、しかもあの揺らいでいた人影は非常に嫦娥に似ていました。后羿は侍女らに命じ、嫦娥の好んでいた庭園にテーブルを置き、好きな果物を供え、遥か月の宮殿で自分のことを思っていた嫦娥を祭りました。 紹介:絲睿
中国名:逍遥遊 昔の中国は、たくさんの国王が権力のために戦っていて、人々は安心して生活できなかった。荘子という人は、この厳しい状況を見て、「平和がほしいのう。何かいい方法はないだろうか。しかし、私は一般の人間だし・・・」そこで、「物語を語ろうではないか。みな、物語が好きじゃろう。物語を伝えれば、戦争をやめるかもしれん」と考えた。 荘子の物語がはじまる。 この世界の北の方の海に大きい魚がいる。その名は鯤という。この巨大な魚が、姿を変えて巨大の鳥となる。その名は鵬という。鵬が空を飛べば、その翼の大きいこと、まるで青空を覆う雲のようだ。鵬は海の強風に乗って、九万キロメートル南の方の海まで飛ぶ。「南の果ての海」とは天の池である。 鵬が空を飛ぶとき、地上にいたら見られないうつくしい景色を見た。鵬が「うつくしい眺めだ。これは自由の真実なのか」と考えた。 それを見て、スズメが鵬を笑った。「あいつはなぜこんな高いところを行くのか。おれは力いっぱい跳ねて飛び上がって、草のしげみの中を自由に遊ぶ。それでもう十分だよ。鵬は間抜けだな。」 しかし、これはおかしなことである。草の茂みでしか遊べないやつが、空を自由に飛び回れる鵬を笑うなんて。 物語はここで終わった。そして、荘子がこう反問した。 「今の官僚や国王たちが、幸福や本当の自由をよそに争いあっている。恵まれた生活を送っていたが、実は茂みの中を遊んでいるスズメみたいに、権力や野心の虜に過ぎないのではなかろうか。たとえ権力や名誉の追求をやめても、ありのまま生きれば、大空を飛ぶ鵬のような、本当の自由や幸福を手に入れられるのじゃ。」 紹介:コガイ